最終更新日:2026年01月29日
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【実録】他社で35万円の「カチカチ」異音HDDが59,800円で復活!物理障害と誤診された案件の逆転復旧劇
HDDから聞こえる「カチッ、カチッ」という規則的な異音。これは「死の宣告(Click of Death)」とも呼ばれ、一般的には磁気ヘッドの物理的な故障を意味します。
多くの業者は、この音を聞いた瞬間に「重度物理障害」と診断し、30万円〜50万円の高額な見積もりを提示します。
しかし、OpenLabの診断は違います。その異音、実は「物理故障」ではないかもしれません。
今回ご紹介するのは、他社で「ヘッド交換必須(35万円)」と診断されたHDDを、OpenLabの高度解析技術により分解せずに修復し、定額上限の59,800円でデータを救出した実例です。
目次
「カチカチ音」の正体と、なぜ業者は分解したがるのか
HDDの異音は、データ消失の危機を告げるサイレンです。まずは、なぜこの音が鳴るのか、そのメカニズムを理解しましょう。
HDDの中で何が起きているのか?(Click of Death)
HDDの電源を入れると、プラッタ(円盤)が高速回転し、磁気ヘッド(読み取り針)がデータ領域へ移動します。
正常な状態であれば、ヘッドはプラッタ上の「サーボ情報(位置情報)」を読み取り、自分の現在地を把握してデータの読み書きを開始します。
しかし、何らかの原因でサーボ情報を読み取れないと、ヘッドは「あれ?自分がどこにいるか分からない」と混乱します。
そこで、ヘッドは一度待機場所(パーキングエリア)に戻り、再度読み取りに挑戦します。この「出て行っては戻る」を繰り返す時の、ストッパーに当たる衝撃音が「カチッ、カチッ」という音の正体です。
つまり、異音は「ヘッドが壊れている(物理障害)」場合だけでなく、「ヘッドは正常だが、制御システムがおかしい(論理・ファームウェア障害)」場合にも発生するのです。
一般的な業者の対応フロー「とりあえず開封=高額化」
多くのデータ復旧業者、特に設備投資を抑えている業者やマニュアル通りの対応しかできない業者は、「異音=ヘッド故障=重度物理障害」という単純な図式で診断を下します。
- 彼らの提案:「ヘッドが折れているので、クリーンルームでHDDを開封し、ドナー部品と交換する必要があります。」
- リスクとコスト:開封作業には高度な環境と高価なドナー部品が必要です。そのため、費用は30万〜50万円と高額になり、納期も部品取り寄せのために数週間かかります。
しかし、もしヘッド自体が壊れていなかったら?
本来なら数万円で直る症状に、数十万円を支払うことになってしまいます。OpenLabは、この「過剰な修理」を防ぎます。
【事例概要】Seagate製 2TB HDD(ST2000DM001)
今回、OpenLabに持ち込まれたのは、デスクトップPCの内蔵HDDでした。
| メーカー / 型番 | Seagate / ST2000DM001(2TB / 3.5インチ) |
|---|---|
| 症状 | PC起動時に「カチッカチッ」と音がして、BIOS画面で認識しない。 |
| 発生状況 | 前夜のWindows Update後、再起動したら認識しなくなった。落下などはさせていない。 |
ご依頼時の状況:認識せず、規則的な異音
お客様はフリーランスの映像クリエイターで、編集中のプロジェクトデータと過去5年分の素材データが入っていました。
電源を入れると、確かに内部から一定のリズムで金属的な打刻音が聞こえ、1分ほどでモーターが停止(スピンダウン)してしまいます。PC画面上にはドライブは一切表示されません。
他社の診断結果「35万円」vs OpenLab「59,800円」
OpenLabに来る前に、大手復旧業者A社に持ち込んだそうです。そこでの診断は以下の通りでした。
「磁気ヘッドの多重障害です。開封してヘッド交換を行う必要があります。部品の取り寄せに2週間、費用は35万円(税別)です。開封してもデータが出る保証はありません。」
「そんな大金は払えないが、データは諦められない」とご相談いただきました。
OpenLabの回答はシンプルです。「当店なら、どんなに重度でも最大59,800円(税込)です」。
OpenLabの初期診断:物理故障か、制御不良か?
ここからがプロの腕の見せ所です。私たちはすぐに開封などしません。まずは世界最高峰の解析ツール「PC-3000 Express」に接続し、HDDの挙動を電気信号レベルで分析します。
PC-3000による通電チェックと電流波形
PC-3000経由で慎重に通電を開始。やはり「カチッカチッ」と異音が鳴ります。
しかし、電流計の波形や、ATAレジスタ(HDDの状態を示す信号)の反応を詳細に観察すると、ある特徴に気づきました。
- ヘッドがシーク(移動)しようとする際の電流値が正常範囲内である。
- 異音が鳴っている間、HDDは「BUSY」信号を出し続けているが、完全に無反応ではない。
- ヘッド交換が必要なほど物理的に破損している場合の「擦れるようなノイズ(スクラッチ音)」が混じっていない。
誤診の発覚:「ヘッドは生きている」という確信
さらに詳しく調べると、このモデル特有の「ファームウェアのバグ」による症状と完全に一致しました。
Windows Updateなどの処理でシステムファイルが書き換わる際、HDD内部の管理情報(トランスレータやG-List)に矛盾が生じ、HDDが自分自身の制御不能に陥っていたのです。
つまり、ヘッドという「手足」は健康だが、それを動かす「脳」がパニックを起こして、壁にぶつかり続けている状態でした。
これなら、分解して手足(ヘッド)を交換しても直りません。逆に、脳(ファームウェア)を治療すれば、分解なしで完治します。
復旧プロセス:分解せずに脳(ファームウェア)を治す
診断は確定しました。「非分解・高度解析」による復旧対応のスタートです。
Step 1. 工場モードでの強制アクセス
通常のSATA接続ではHDDが「Ready」状態にならず、コマンドを受け付けません。
そこで、PC-3000を使って基盤上のデバッグポート(シリアル通信端子)に接続し、「ターミナルモード(工場モード)」で強制的にアクセスを試みます。
特殊なコードを送信し、HDDの回転を一時的に制御することで、異音を止めて「カーネルモード」に入ることができました。
Step 2. サービスエリア(SA)の修復とヘッドマップ編集
HDDのプラッタ上にある管理領域「サービスエリア(SA)」のデータを読み出します。
解析の結果、やはり「Sys File 35(スマート情報管理モジュール)」と「Translator(アドレス変換テーブル)」の一部が破損していました。
- モジュール修復:PC-3000のエディタ機能を使い、破損したバイナリコードを修正・再計算して書き戻します。
- ヘッドマップの編集:念のため、RAM(メモリ)上でヘッドの動作パラメータを調整し、読み取りの感度を最適化します。
修正を適用して再起動すると…「カチカチ」という異音が止まり、正常な回転音とともに「Ready」ランプが点灯!
ついにHDDが認識し、モデル名「ST2000DM001」と正しい容量が表示されました。
Step 3. 不良セクタを回避するイメージング
認識はしましたが、まだ安心はできません。障害発生時にプラッタ上に「不良セクタ(Bad Sector)」ができている可能性があります。
ここでPC-3000のデータ抽出機能「Data Extractor」を使用します。
通常のコピーツールではなく、不良セクタに当たっても「読み込みをスキップ」して止まらない設定で、全領域のディスクイメージ(クローン)を作成します。
結果、数箇所の不良セクタがありましたが、全体の99.99%以上の領域をエラーなく読み出すことに成功しました。
結果と考察:「非分解」がもたらしたメリット
作成したクローンディスクからデータを展開し、お客様に確認いただいたところ、「必要な動画ファイルは全て無事」とのことで、無事に納品となりました。
| 項目 | 他社A(診断結果) | OpenLab(実績) |
|---|---|---|
| 診断内容 | 重度物理障害(ヘッド交換) | ファームウェア障害(SA修復) |
| 作業内容 | クリーンルームでの開封・部品交換 | 非分解でのPC-3000高度解析 |
| 費用 | 約35万円 | 59,800円(定額上限) |
| 期間 | 2週間(部品取り寄せ含む) | 2日(即時着手) |
費用は他社の約1/6、期間は2日
高額なドナー部品代やクリーンルーム使用料がかからないため、OpenLabの定額上限である59,800円で対応できました。他社見積もりの約6分の1の価格です。
HDDを開封することのリスクとデメリット
もし他社で開封していたらどうなっていたでしょうか?
もちろん直った可能性もありますが、正常なヘッドを無駄に交換することになり、HDDの気密性が失われることで、将来的な再利用は不可能になっていたでしょう。
何より、本来なら必要のない「外科手術」に35万円を払うことになります。「分解しない」ことは、データにとってもお財布にとっても、最善の選択なのです。
異音発生時にユーザーがすべきこと・してはいけないこと
今回の事例のように、異音=即死とは限りません。しかし、対処を間違えれば本当に死んでしまいます。
- 【NG】通電し続ける:音がしている状態でPCに繋ぎっぱなしにすると、ヘッドが暴走し、プラッタに本物の傷(スクラッチ)をつけてしまいます。こうなるとPC-3000でも直せません。
- 【NG】叩く・傾ける:昭和のテレビではありません。衝撃は状態を悪化させるだけです。
- 【NG】復旧ソフトを使う:認識していないHDDにソフトは無力です。
- 【OK】すぐに電源を切る:これが唯一にして最大の防御策です。そのままの状態でご相談・お問い合わせください。
よくある質問
私のHDDも「カチカチ」鳴っていますが、59,800円以内で直せますか?
全てのカチカチ音がファームウェア障害とは限りません。本当にヘッドが折れているケース(物理破損)は、残念ながら復旧不可となる場合もあります。しかし、OpenLabの実績では「異音=即開封」と判断される案件の約半数が、分解せずに修復可能でした。復旧できた場合は、どんなに難易度が高くても59,800円(税込)を超えることはありません。
他社で「開封済み」ですが、診てもらえますか?
可能です。ただし、他社で開封され、プラッタに指紋やホコリが付着している場合、復旧難易度は格段に上がります。また、元のヘッドが捨てられてしまっていると解析ができません。「最初の業者選び」が重要ですが、セカンドオピニオンとして全力で対応いたします。
まとめ
- Point
「異音=物理故障=開封」は古い常識。誤診による無駄な出費に注意。
- Point
PC-3000による「非分解解析」なら、HDDを傷つけずに復旧可能。
- Point
OpenLabなら、どんなに難しい障害でも費用は最大59,800円。
データ復旧の世界では、持っている「設備」と「知識」によって、診断結果も見積もり金額も180度変わることがあります。
「開封しないと無理」「30万円かかる」と言われたそのHDD、OpenLabなら切らずに、しかも定額の59,800円以下で治せるかもしれません。大切なデータを諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
