RAIDはバックアップではない!NAS運用でデータ損失を防ぐ「3-2-1ルール」と正しい設計

RAIDはバックアップではない!NAS運用でデータ損失を防ぐ「3-2-1ルール」と正しい設計

最終更新日:2026年02月16日

RAID/NAS運用でデータ損失を防ぐ基本|「RAID=バックアップ」という危険な勘違いと、最強の「3-2-1ルール」

「NASでRAIDを組んでいるから、データは安全だ」。
もしそう思っているなら、あなたのデータは危機的状況にあります。

断言します。RAIDはバックアップではありません。
RAIDはあくまで「HDDが壊れても業務を止めない(可用性)」ための仕組みであり、「データを保護する(保存性)」ための仕組みではないからです。

この記事では、なぜRAIDだけではデータを守れないのかという根本的な理由と、プロが推奨する鉄壁のバックアップ戦略「3-2-1ルール」について解説します。

  • RAID崩壊
  • NAS運用
  • 3-2-1ルール
  • バックアップ設計
  • データ消失対策
目次

最大の誤解:「RAIDはバックアップではない」理由

RAID 1(ミラーリング)やRAID 5は、複数のHDDにデータを分散・複製して保存します。
確かにHDDが1台壊れてもデータは残りますが、以下のリスクに対しては無力です。

「削除」も「ウイルス感染」もすべてのHDDに同期される

RAIDはリアルタイムでデータを同期します。
つまり、あなたが間違ってファイルを「削除」した瞬間、ミラーリングされたもう一方のHDDからも同時に削除されます。
ランサムウェアに感染した場合も同様に、すべてのHDD内のデータが瞬時に暗号化されます。
「過去の状態に戻す」機能は、RAID単体にはありません。

RAIDコントローラー故障=全データアクセス不能

RAIDを制御している基盤(コントローラー)が壊れた場合、HDD自体が無事でもデータにはアクセスできなくなります。
この時、HDDを取り出して直接パソコンに繋いでも、特殊な形式で保存されているため中身を見ることはできません。
「NASという箱そのもの」が壊れた時点で、データは人質になります。

データを守る世界標準「3-2-1ルール」とは

米国土安全保障省なども推奨する、最も確実なバックアップの考え方が「3-2-1ルール」です。
これを守れば、理論上あらゆるデータロストのリスクを回避できます。

3:データは「3つ」持つ(原本+コピー2つ)

原本だけでは故障リスクが100%です。
バックアップを1つ取ればリスクは下がりますが、バックアップHDDも同時に壊れる可能性があります。
もう1つ予備を持つことで、同時故障の確率は天文学的に低くなります。

2:異なる「2種類」のメディアに保存する

「NASのバックアップを、同じNASの中の別フォルダに取る」のは無意味です。
NAS自体が壊れたら共倒れになるからです。
「NAS」と「外付けHDD」、「HDD」と「光ディスク(Blu-ray)」など、媒体の種類を変えることで、特定の障害(機械的故障や磁気的トラブル)による全滅を防ぎます。

1:「1つ」は別の場所に置く(オフサイト)

地震、火災、盗難が起きたら、オフィスにあるNASも外付けHDDもすべて失われます。
バックアップのうち1つは、クラウドストレージ(Amazon S3, Dropbox等)や、遠隔地の支店など、物理的に離れた場所に置く必要があります。

具体的なNASバックアップ構成の実践

では、具体的にどのような機器構成にすればよいのでしょうか。

構成例:NAS + 外付けHDD + クラウド

最もコストパフォーマンスが良く、管理しやすい構成です。

役割 機器・サービス 目的
メイン NAS (RAID 1/5/6) 日々の業務データの保存・共有。
HDD故障時の稼働継続。
バックアップA USB外付けHDD NASのUSBポートに接続。
夜間に自動バックアップを設定。
誤削除・NAS故障対策。
バックアップB クラウドストレージ NASのクラウド同期機能を利用。
災害・ランサムウェア・盗難対策。

忘れてはいけない「UPS(無停電電源装置)」

NASにとって「停電」は天敵です。
書き込み中に電源が落ちると、RAID構成情報が破損し、一発でデータが飛びます。
UPSを導入し、停電時に自動で安全にシャットダウンする設定を入れておくことは、バックアップ以前の必須条件です。

もしRAIDが崩壊したら?やってはいけないNG行動

万全の対策をしていても、トラブルは起きるものです。
RAID崩壊モード(デグレードモード)になった時、絶対にやってはいけないことがあります。

安易な「リビルド(再構築)」はトドメの一撃

HDD交換後の「リビルド」は、残ったHDD全領域を読み込んでデータを再計算する、超高負荷な作業です。
同じ時期に買ったHDDは、同じ時期に寿命を迎えます。
1台が壊れたということは、他のHDDも瀕死の状態です。ここでリビルドをかけると、負荷に耐えきれず2台目、3台目が連鎖的に故障し、データが完全に消滅するケースが後を絶ちません。
リビルドの前に、必ずデータのバックアップを取ってください。取れないならリビルドしてはいけません。

HDDの入れ替え・順番変更の禁止

「どれが壊れているか分からないから」と、適当に抜き差ししたり、スロットの順番を変えたりしないでください。
RAIDはデータの「並び順(ストライプ)」が命です。順番が変わるとデータはパズルのようにバラバラになり、復旧難易度が跳ね上がります。

OpenLabのRAID復旧:定額59,800円の安心感

「リビルドに失敗した」「バックアップが取れていなかった」。
そんな絶望的な状況でも、OpenLabなら対応可能です。

  • RAID崩壊対応:バラバラになったストライプ情報を解析し、仮想的にRAIDを再構築してデータを抽出します。
  • 全RAIDレベル対応:RAID 0, 1, 5, 6, 10, LinkStation, TeraStation, QNAPなど、全メーカー対応。
  • 定額制:HDDが何台あろうと、容量が何TBあろうと、一律59,800円(税込)で対応します。

よくある質問

RAID 5とRAID 6、どちらが安全ですか?

RAID 6の方が安全です。RAID 5はHDD1台の故障まで許容できますが、RAID 6は2台同時故障まで耐えられます。リビルド中の2台目故障リスクを考えると、業務用途ではRAID 6を推奨します。

NASのバックアップHDDは常時接続でいいですか?

基本は常時接続でOKですが、ランサムウェア対策を徹底するなら、バックアップ完了後に自動でアンマウント(切断)する設定にするか、定期的に交換する「ローテーション運用」が理想です。

まとめ

  • Point

    RAIDは「稼働維持」のための仕組み。データ消失リスクは防げない。

  • Point

    「3-2-1ルール」で、媒体と場所を分けたバックアップ体制を作る。

  • Point

    RAID異常時はリビルド厳禁。まずはバックアップかプロへ相談。

データは企業の命であり、個人の財産です。
「RAIDだから大丈夫」という神話を捨て、正しいバックアップ設計を行うことで、初めてデータは守られます。
もしもの時は、複雑なRAID復旧も定額で対応するOpenLabにお任せください。